ニュース

星空観測ボランティア20年 京都・和束町の湊さん

2022.05.06 10:21

朝日新聞

facebook twitter line

 宇治茶の主産地、京都府和束町の茶農家、湊(みなと)善実さん(73)は、子どもたちに星空観測の楽しさを伝え続けて約20年になる。茶畑景観の美しさで知られる和束町。昼の青空とは対照的に、山に囲まれていて夜は真っ暗になる環境が、湊さんの活動を支えている。

 「天体観測を通じて、地域の子どもたちに自然環境の素晴らしさ、大切さを実感させる活動を続けている」。この功績で、湊さんは昨年12月、岡山県で開かれた第33回「星空の街・あおぞらの街」全国大会で環境大臣賞を受賞した。

 「子どものころから星空を見るのが好きだった。子どもたちと一緒に星を観測し、一緒に感動したかった。思っても見ない賞をいただいた」と湊さん。

 和束町で生まれ育った。20歳の時に初めて2万円ほどの望遠鏡を買い、輪っかのある土星を見て魅了された。「美しくて、心がすっきりした」。天体に関する本を買い、季節ごとに見える星空の勉強を重ねた。農業の仕事を終えると、日没から毎日のように望遠鏡をのぞいた。

 1998年には対物レンズの直径が20センチの星が良く見える天体望遠鏡に買い替えた。そのころから、町の教育委員会の役員と共に、小学生を対象にした天文教室を始めたという。土星を見て「輪があった」、月を見て「クレーターが見えた」と喜ぶ、子どもたちの反応がうれしかった。

 天文宇宙検定2級に合格した2013年には星好きの仲間3人で「和束 星を楽しむ会」を結成、4月から11月までの月1回、町内で観測会を続け、修学旅行で農業体験に来た関東の高校生にも天体観測を体験してもらったこともあった。

 湊さんは「星空も和束の魅力。新型コロナウイルスの感染拡大が収まれば、都会の高校生らにも天体観測の楽しさを伝える活動を再開したい」と話す。

 同会の開く次回の観望会は7日午後7時半から。同町の和束小学校で。詳細は同会ホームページ(http://hoshiwazuka.g2.xrea.com/)。(甲斐俊作)

愛用の天体望遠鏡を自宅庭に出し、「星を見ると心がすっきりする」と話す湊善実さん=2022年4月7日、京都府和束町杣田、甲斐俊作撮影
愛用の天体望遠鏡を自宅庭に出し、「星を見ると心がすっきりする」と話す湊善実さん=2022年4月7日、京都府和束町杣田、甲斐俊作撮影

(この記事は朝日新聞デジタルに2022年5月4日10時に掲載された記事の転載です)


Share


Related Articles