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巨大な彗星、2031年に最接近「オールトの雲」の謎解明に期待

2022.04.14 07:40

CNN.jp

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彗星の核の比較図。右端が「C/2014 UN271」/NASA/ESA/Zena Levy (STScI)
彗星の核の比較図。右端が「C/2014 UN271」/NASA/ESA/Zena Levy (STScI)

論文共著者で米カリフォルニア大学ロサンゼルス校教授のデービッド・ジュウィット氏によると、地球から遠く離れた太陽系の彼方には、暗すぎて見えない彗星が何千もある。この彗星はその氷山の一角にすぎないとジュウィット氏は述べ、「この彗星は、これほど遠く離れていても非常に明るいことから、大きいに違いないと以前から思われていた。今回、それが確認された」と解説する。

彗星は太陽系初期、惑星が誕生した時に取り残された氷の断片で形成され、大型惑星の重力によって、太陽系の果てにあるとされる仮説上の「オールトの雲」に押しやられたと考えられている。オールトの雲にある彗星は、通過する恒星の重力の影響を受けて太陽の方向へ引き戻される。

バーナーディネリ・バーンスタイン彗星は、数百万年後にはオールトの雲に戻る。

この彗星は楕円(だえん)形の軌道を300万年かけて周回する。現在の太陽からの距離は約32億キロ以内。

今回の彗星の観測は、オールトの雲の謎を解く手がかりになると期待されている。オールトの雲はオランダの天文学者ヤン・オールトが1950年に発表した仮説で、地球から遠すぎて観測できないことから、今も仮説のままとなっている。

米航空宇宙局(NASA)の探査機「ボイジャー」がオールトの雲の内側に到達するまでにはあと300年かかり、通過するまでには3万年かかる可能性もある。

(この記事はCNN.co.jpからの転載です)

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