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宇宙探査の技術を家庭に応用–NASAが民間と共同開発中の人型ロボット「Astra」
2022.12.23 08:00
米航空宇宙局(NASA)には、工学技術の偉業によって人類の深宇宙探査を支えてきた長年の実績がある。NASAの次のプロジェクトの1つは、人類による新たな天体への旅を助けるものだが、いつの日か洗濯の手伝いもしてくれるようになるかもしれない。
「私は大歓迎だ。皿洗いや洗濯にはうんざりしている」。Apptronikの最高経営責任者(CEO)であるJeff Cardenas氏は米ZDNETにこう語った。
オースティンに拠点を置くロボット企業Apptronikは、NASAと協力して、5フィート8インチ(約172cm)、160ポンド(約72kg)の汎用人型ロボット「Apollo」を開発している。このロボットは、宇宙、商業部門、そして非常に興味深いことに、家庭での作業の支援を目的とするものだ。
Apolloには、単純に人間がする必要がない作業や望まない作業を担うという使命があり、多様な環境でさまざまな作業を実行するための装備が搭載される。
「これらのロボットが最初にやるのは、物体を動かすといった非常に単純なことになるだろう」とCardenas氏は語る。「人間が多大なエネルギーを費やしている作業だ。Apolloによって人間がこうした作業から解放され、もっと価値のあることに時間や才能を費やせるようになると思う」
NASAとApptronikは2013年に初めて協力し、「DARPA Robotics Challenge」(DRC)においてNASAの「Valkyrie」ロボットを構築した。ValkyrieはSF映画から飛び出してきたような汎用人型ロボットだった。
この初期のパートナーシップの結果として、NASAは9月、新世代の汎用ロボットの民間パートナーにApptronikを選んだ。その最初の取り組みがApolloだ。
Valkyrieでの作業から得られた教訓は、地球や宇宙の探索に対応可能な人型ロボットの開発に生かされている。
「企業として何に取り組んでいるかというと、基本的にValkyrie以降のすべての技術を成熟させて、商用化に備え、研究開発から実用化へと向かう準備をすることだ」(Cardenas氏)
Apolloは2023年3月にSouth by Southwestにおいて初公開される予定だ。その後、Apptronikは2023年の終わりまで一部の顧客と緊密に連携してApolloを展開し、ユースケースを観察する。より広範な展開が始まるのは2024年になるだろう。
このロボットは、商業、宇宙、個人の家庭という3つの分野で使用される。その順番で、構造化された環境から構造化されていない環境へと移行していく。
「構造化されているということは、環境を制御できることを意味する」とCardenas氏。「構造化されていないということは、環境が非常に動的であることを意味する。そして、家庭ほど動的な環境はないはずだ」