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ヴァージン・ギャラクティック、新型機での宇宙旅行は2026年秋から

2025.08.13 16:00

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米Virgin Galactic(ヴァージン・ギャラクティック)は新型機による宇宙旅行を2026年秋にも開始する。宇宙船の母艦を輸送プラットフォームとして使用するアイデアも明かした。米メディアSpace.comが報じている

 同社が提供する「宇宙旅行」では、母艦である航空機「Virgin MotherShip(VMS) Eve(イヴ)」が連結した宇宙船「Virgin SpaceShip(VSS) Unity(ユニティ)」とともに高度15kmまで上昇。その後、Eveから切り離されたUnityは自らのロケットエンジンで高度80km以上まで急上昇する。

 そこでUnityはエンジンを停止。乗客は4~5分間、無重力状態を味わうことができる。この時乗客は、シートベルトを外して機内を自由に浮遊したり、Unityの窓から宇宙や地球を眺めたりできる。Unityはグライダーのように滑空して滑走路に着陸する。

 国際航空連盟(FAI)は高度100kmをカーマンラインとしており、高度100km以上が宇宙空間とされている。しかし、米航空宇宙局(NASA)や米連邦航空局(FAA)、米空軍は高度80km以上を宇宙と定義している。

 Unityでの商業飛行は2024年6月に終了。Virgin GalacticはUnityの後継として「Delta Class」(デルタ級)を開発している。デルタ級のチケット価格は1枚60万ドル(約8884万円)と、これまでの45万ドル(約6663万円)より高くなると見通しだ。

 米国時間8月6日の2025年第2四半期(4~6月)の決算発表でVirgin Galacticは、デルタ級の開発を本格化させており、胴体の建造は2025年後半または2026年初頭に完了する見込みと述べた。研究飛行と民間人を乗せた飛行は、ともに2026年秋に開始される。デルタ級による商用飛行は、当初2026年に開始できると説明。その後、2026年半ばからとなっていた

 同社は、デルタ級が1カ月間に飛行できるのは8回と説明。これは、Unityの月間ペイロード、または顧客定員の12倍に相当する。同社はデルタ級が業界をリードするコスト構造と、前例のない頻度で人々を宇宙へ運ぶと説明している。

 同社はまた、米ローレンスリバモア国立研究所(LLNL)と共同でEveを他の宇宙機の高高度打ち上げに使用する輸送プラットフォームとしての実現可能性を調査すると明かした。

 Virgin Galacticの最高経営責任者(CEO)であるMichael Colglazier(マイケル・コルグラジア)氏は「我々の宇宙機の進捗は、すべてのシステムと構造で順調だ」と述べた。

開発が進むデルタ級のイメージ(出典:Virgin Galactic)
開発が進むデルタ級のイメージ(出典:Virgin Galactic)

関連情報
Virgin Galactic2025年第2四半期(4~6月)決算
Space.com

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