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NASAの火星探査機「ESCAPADE」、ブルーオリジンの「ニューグレン」で8月15日以降に打ち上げ
米航空宇宙局(NASA)の火星探査機「ESCAPADE」が、米Blue Origin(ブルー・オリジン)の巨大ロケット「New Glenn」(ニュー・グレン)で米フロリダ州ケープカナベラル宇宙軍基地から打ち上げられる。打ち上げ日は8月15日以降とみられている。
NASAによれば、ミッションの目的は「火星の磁場が惑星の周りの粒子の流れをどのように導いているか、エネルギーと運動量が太陽風から磁気圏を通ってどのように輸送されるか、そして火星大気へのエネルギーと物質の出入りを制御するプロセスは何かを分析する」ことだという。
Rocket Lab(ロケット・ラボ)が製造したESCAPADE(Escape and Plasma Acceleration and Dynamics Explorers)は、BlueとGoldという2機の探査機のペア。重さはそれぞれ524kg。搭載される観測機器の重さは約8kg。推進剤が質量の70%を占めるという。
New GlennはESCAPADEを火星に直接送るのではなく、地球を周回する軌道に送り、そこから探査機はスラスターを使用して火星に向かう。ESCAPADEは打ち上げから約11カ月後に火星に到着し、火星軌道投入(MOI)噴射を実施する。
ミッションは米カリフォルニア大学バークレー校 宇宙科学研究所(Space Science Laboratory:SSL)が主導。SSLによれば、ミッションのコストは8000万ドル(約118億円)という。
「New Glennと火星探査にとって、エキサイティングなミッションになるだろう。ESCAPADEはNew Glennにとって初の惑星間ミッションであるだけでなく、火星の磁気圏を研究する初の複数機による科学ミッションでもある。また我々は初めて、ブースターを着陸させ、回収したいと願っている」とBlue Origin 最高経営責任者(CEO) Dave Limp(デイブ・リンプ)氏はX(旧Twitter)に投稿している。
もともとはESCAPADEは、2024年10月にNew Glennの初ミッションで打ち上げられる予定だった。しかし打ち上げ遅延によるコスト増の可能性を理由に中止。2025年1月に実施されたNew Glennの初打ち上げでは、Blue Originの宇宙機プラットフォーム「Blue Ring」(ブルー・リング)の軌道投入に成功した(第1段の再着陸には失敗した)。

関連情報
Dave Limp氏公式X(旧Twitter)アカウント投稿
ESCAPADEミッション全体(SSL)
ESCAPADEミッション詳細(SSL)
ESCAPADEミッション全体(NASA)
New Glenn(Blue Origin)
Space.com
