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中国、地下に月面模擬試験場を完成–すでにロボットで試験

2025.07.18 13:06

塚本直樹

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 中国は将来の探査活動に向けて、月や火星の地下空間を再現した環境を作成した。月や火星には溶岩洞があると考えられており、放射線から身を守られる場所になり得るという研究結果を受けている。

 この模擬的な月面環境は、中国北東部の黒竜江省の牡丹江市にある鏡泊湖(きょうはくこ)付近の、森林地帯にある火山性の溶岩洞に設置された。すでに実験用のロボットで自律探査などの試験が実施されている。

(出典:CCTV / YouTube)
(出典:CCTV / YouTube)

 「鏡泊湖の地下にある火山性の溶岩洞は、地球上で最も月の地下空間に似た環境だ」と、北京大学の研究者であるLi Jiaqi氏は中国中央テレビ(CCTV)に語っている。

 テストされているロボットについては、「従来の月面探査車や探査ロボットと比較して、より強力な環境適応性と柔軟性を備えている」と、ハルビン工業大学の博士課程の学生であるLi Xianglong氏は述べている「将来、月の地下空間を探査する際に、より正確な知覚、意思決定、操作能力を持つことができる」

 研究者たちはまた、将来の月での実験の参考とするため、このエリアに地震計を設置した。2026年頃に月南極への打ち上げが予定されているミッション「嫦娥7号(Chang’e 7:CE-7)」は、月の地震こと「月震(げっしん)」を検出するための地震計を搭載する予定だ。

(出典:CCTV / YouTube)

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