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ボーイングの宇宙船「スターライナー」、無人での打ち上げを検討–前回は飛行士をISSに取り残す

2025.07.14 16:04

塚本直樹

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 米航空宇宙局(NASA)は米Boeing(ボーイング)の宇宙船「Starliner」(スターライナー)について、次回は貨物のみを搭載して打ち上げることを検討している。海外メディアのSpacePolicyOnline.comが報じている

 Starlinerは2024年6月、有人飛行試験(Crew Flight Test:CFT)として、2人の宇宙飛行士を国際宇宙ステーション(ISS)に輸送した。しかしトラブルが発生し、同年9月に無人の状態で地球に帰還。現在は、2026年初頭以降の飛行が検討されている

 NASAが米国時間7月10日に開いた記者会見でNASAの「商業乗員輸送計画(CCP)」のマネージャーを務めるSteve Stich(スティーブ・スティッチ)氏は、決定はまだ下されていないものの、貨物のみでの打ち上げには利点があると見ている。

 「我々が注目しているのは、推進システムのドッグハウス(筐体)への変更点を地上ですべてテストできるか、あるいは飛行中に検証するかだ。まず、貨物便が飛行する可能性が高い」

 BoeingとNASAは、Starlinerの推進システムの問題の特定と解決を続けている。またNASAはCCPの開始以来、2つの異なる宇宙船を持つことを目指している。

 Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の「Crew Dragon」(クルードラゴン)は2020年から運用されているが、Starlinerの運用はまだ始まっていない。SpaceXは、初代Crew Dragonの前に、オリジナルである「Cargo Dragon」で19回の宇宙飛行を成功させており、BoeingがStarlinerで得られていない経験を積んでいる。

(出典:NASA)
(出典:NASA)

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SpacePolicyOnline.com

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