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将来宇宙輸送システム、米ウルサメジャーのロケットエンジン10基を調達へ–技術連携も強化

2025.07.14 10:37

UchuBizスタッフ

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 将来宇宙輸送システム(以下「ISC」)は7月14日、米国子会社であるSirius Technologiesが、米Ursa Major Technologies製のロケットエンジン「HADLEY(ハドレー)」を10基調達するほか、再利用可能な中型リフト推進技術で連携することを発表した。7月9日には、調印セレモニーが在日米国大使館で実施された。

左から米Ursa Major TechnologiesのChris Spagnoletti氏、ジョージ・グラス駐日米国大使、将来宇宙輸送システムの畑田康二郎氏(写真提供:在日米国大使館)

 ISCは2024年4月に、Ursa Major Technologiesが製造・販売するHADLEYを購入することを発表。また、2025年4月には、米国での再使用型ロケット「ASCA 1(アスカワン)」の飛行実証に向けて2基のHADLEYを調達した。今回発表した10基はテストや予備として使用する。また、将来的な大型化・高性能化を見据え、開発中のロケットエンジン「ARROWAY(アロウェー)」を用いたロケットシステムを共同で検討することにも合意している。

 ISCは2022年の創業以来、日本発の再使用型ロケット開発プロジェクト「ASCA(アスカ)ミッション」の実現に向けて開発を進めてきた。ASCA 1.0はその初期フェーズにあたる技術実証機。高度100m以上まで機体を上昇させ、着陸目標地に誤差5m以内に着陸させることを目指すとともに、実験で得たデータを次の開発に生かす。

 2025年冬以降に、米ニューメキシコ州のスペースポート・アメリカでの飛行実証を予定しており、同施設での日本の民間宇宙スタートアップによる垂直離着陸実験は日本初になるという。

関連情報
将来宇宙輸送システム プレスリリース

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