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台湾jtSPACE、ロケット打ち上げ失敗–北海道スペースポートから発射
2025.07.12 17:25
台湾企業の日本法人jtSPACEが開発した準軌道(サブオービタル)ロケット「VP01」が、7月12日に宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」(北海道大樹町)から打ち上げられたが、目標高度の100kmには届かず失敗に終わった。

jtSPACEによる打ち上げ後の解析によれば、VP01は高度4km(速報値)に到達し、ランチャーの機能、分離機能、2段目の再点火など、ロケットの一部システムの動作を検証した。ロケット2段目は分離後、ミッションを遂行できないと判断し、飛行停止措置をとったという。2段目の機体は射点から北1km未満の当縁川付近の警戒区域内の町有地に落下した。ロケットの1段目は現在捜索中としている。
jtSPACEは、宇宙輸送事業の展開を目指す台湾企業tiSPACE(Taiwan Innovative Space)グループの日本法人。今回の打ち上げ試験では、VP01を高度約100kmに到達させ、ロケットの各性能を確認し、衛星を搭載可能な軌道投入ロケットの開発に役立てることを目的としていた。VP01は2段式。全長は12m、直径は0.6m、重量は1.4t。固体燃料の合成ゴム、酸化剤の亜酸化窒素(N2O)によるハイブリッド方式。推力は第1段が6500kgf、第2段が1100kgf。
HOSPOにおいて、高度100kmへの到達を目指すロケットの打ち上げは、2021年7月のインターステラテクノロジズ(北海道大樹町)の「MOMO」6号機以来4年ぶり。海外資本によるロケットの打ち上げは国内初だった。なお、HOSPOでの打ち上げを選んだ理由について同社は、台湾では大学などの研究機関による打ち上げは可能だが、商業用の射場がないため国外に求めた結果、北海道大樹町を選んだと説明していた。
