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Space BD、豪州ロケット「エリス」の打ち上げ枠を確保

2025.07.09 18:00

UchuBizスタッフ

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 Space BD(東京都中央区)とオーストラリア企業Gilmour Space Technologies(ギルモア・スペース・テクノロジーズ)は業務提携契約を締結した。7月9日に発表した。

 Space BDは、Gilmour Spaceが開発する軌道投入用ロケット「Eris」(エリス)の打ち上げ枠を確保して衛星事業者に提供する。Gilmour Spaceの小型衛星プラットフォーム「ElaraSat」を活用した軌道上実証サービスも提供する。ElaraSatに必要な部品やコンポーネントの調達も支援する。

 Space BDは、国内外の幅広い打ち上げ手段を保有しており、ミッションに最適なロケットの選定から衛星搭載に関係する技術調整までを一貫してサポートしていると解説。今回の提携を通じて、ミッションやスケジュールに応じた、より柔軟かつ多様な打ち上げオプションを提供できるという。

 また、適切な部品やコンポーネントを提供することでアジア太平洋地域全体でより強固なサプライチェーンの構築にも貢献し、衛星事業者や軌道上実証を目指すユーザーに衛星プラットフォームへの安定的なアクセスを提供できるとしている。

 Gilmour Spaceは地球低軌道(LEO)への小型衛星投入を目的にした、3段式ロケットのErisを開発。幅広いミッションに対応できるモジュール型小型衛星プラットフォームであるElaraSatも提供している。

 オーストラリアのクイーンズランド州ヤタラに本社を構え、同州ボウエンで同国初の認可済み軌道打ち上げ施設「Bowen Orbital Spaceport」も運営している。

 高さ25mのErisはハイブリッド推進システムを採用。最大215kgの貨物(ペイロード)を高度500kmの太陽同期軌道(SSO)に投入できるという。5月16日に初の試験飛行ミッション「TestFlight 1」が予定されていたが、ペイロードフェアリングに問題があり、打ち上げは延期。現時点での打ち上げは7月16日以降を予定している。

(左から)Gilmour Space 営業部門責任者 David Jervis氏、Space BD ローンチサービス事業ユニット 事業ユニット長 李美亜氏(出典:Space BD)
(左から)Gilmour Space 営業部門責任者 David Jervis氏、Space BD ローンチサービス事業ユニット 事業ユニット長 李美亜氏(出典:Space BD)

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Space BDプレスリリース
Eris概要

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