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スペースデータ、デジタルツインでの災害対策支援を開始–国連宇宙部と連携
2025.06.27 16:30
スペースデータ(東京都港区)は英連邦加盟国を対象にした災害対策強化プロジェクトに参画した。実施対象はガーナとトリニダード・トバゴ。6月27日に発表した。
プロジェクトは、国連宇宙部(United Nations Office for Outer Space Affairs:UNOOSA)が推進する取り組み「CommonSpace Initiative」の一環。
英連邦(Commonwealth of Nations)は歴史的にイギリスと結び付きがある56カ国で構成される政府間組織。島嶼国や開発途上国が多く加盟しているのが特徴。これらの国々では、気候変動の影響による災害リスクの高まりが課題となっている。特に都市化が進む地域では、脆弱なインフラが被害を拡大させ、住民の生活や経済活動に重大な影響を及ぼしているという。
今回のプロジェクトでは、衛星データとAI(人工知能)を活用したデジタルツイン技術と洪水シミュレーションを開発して、英連邦加盟国での自然災害への備えと持続可能な都市開発支援の実現を目指す。以下の3つの目標を掲げている。
- 災害リスク評価に貢献する空間情報基盤とデータ分析支援の整備
- 洪水被害の可視化と迅速な対応計画の支援
- 都市インフラ計画と防災計画への活用を見据えたデジタルツイン基盤の整備
プロジェクトの対象であるガーナとトリニダード・トバゴで1~3月に気候変動の影響で頻発している洪水や高潮といった水害で早期警戒やリスク可視化、都市計画支援が可能な技術的成果が開発されたという。正確にリスクを評価し、洪水などの災害に早期に対応できるようになったと説明している。
- 高精細衛星画像を活用した都市部のデジタルツインモデルの構築
→実際の建物形状や地形情報を反映し、災害リスクに資する評価基盤を構築 - 洪水シミュレーションによる被害想定の可視化
→被害想定の具体化で住民や行政の意識向上を図る
→構築したデジタルツインモデルと分析結果は、行政機関による洪水リスク評価の補助や都市インフラ整備・防災計画の立案支援に活用されることを想定し、関係機関への展開が進められている
プロジェクトで活用された3Dデジタルツインモデルは、ウェブ上で高精度な地理空間データを3Dで表示できるプラットフォーム「Cesium ion」を活用して3Dタイル形式に変換されており、ブラウザ上で3Dモデルを自由に動かして体感できる。

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スペースデータ プレスリリース