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欧州基幹ロケット「アリアン6」、打ち上げ頻度向上には数年必要–アリアンスペースCEOが語る
欧州の基幹ロケット「Ariane 6」(アリアン6)を運用するArianespace(アリアンスペース)は、同ロケットの打ち上げ頻度の向上には数年を要する可能性があると語った。米メディアSpaceNewsが報じている。
Ariane 6は全長70mを超える2段式の使い捨てロケットで、2024年7月に初打ち上げに成功。2025年3月に2回目の打ち上げに成功した。2025年にはあと4回の打ち上げを予定しており、その後に年6〜9回の打ち上げペースへの到達を目指している。
6月17日に開催されたパリ航空ショーのパネルディスカッションでArianespaceの最高経営責任者(CEO)であるDavid Cavaillolès(デビッド・カヴァイヨレス)氏は「Ariane 6の打ち上げを可能な限り早く年間10回まで持っていく必要がある」と述べた。「これはAriane 5の2倍であり、大きな変革だ」
Cavaillolès氏は、2025年末までにAriane 6を4回打ち上げる計画を強調した。これには、より強力な固体ロケットブースター4本を備えた「Ariane 64」の初打ち上げも含まれる。一方で、年間10回に打ち上げ頻度を向上させる具体的な時期については明言を避けた。
「全員が非常に意欲的だが、段階的に進めていきたい」と同氏は解説。「まずは2025年に成果を出さないといけない。大きな挑戦なので、今はそのことに集中している」(Cavaillolès氏)
Arianespaceは、欧州連合(EU)が計画している衛星ブロードバンドサービスのコンステレーションである「IRIS2」のために、2029年と2030年にAriane 64を13回打ち上げる予定だ。その前には、Amazon(アマゾン)のブロードバンド衛星コンステレーション「Project Kuiper」向けのAriane 64の打ち上げが18回分ある。
「2026年はもっと多くを打ち上げる予定」とCavaillolès氏は話す。年間10回打ち上げるという目標「ケイデンス10」について同氏は「2029年にマイルストーンプログラムであるIRIS2の展開を開始する頃には、間違いなくケイデンス10を超えているだろう」とした。

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