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米ファイアフライ、月面撮影サービス「オキュラ」を2026年に開始へ–3月に月着陸に初成功
2025.06.19 15:49
米Firefly Aerospace(ファイアフライ・エアロスペース)は米国時間6月18日、月面撮影サービス「Ocula」(オキュラ)を発表した。同社は2025年3月に着陸船(ランダー)「Blue Ghost」の月面着陸に成功していた。
Oculaでは、月周回軌道に衛星「Elytra Dark」(エリトラ・ダーク)によるコンステレーションを構築し、同衛星に搭載された望遠鏡で月面を撮影する。搭載される望遠鏡は、米ローレンス・リバモア国立研究所(LLNL)が開発、高度50kmから月面上の20cmの物体を認識することが可能になる。
「紫外線と可視光スペクトル能力を備えた望遠鏡は、月周辺空間(シスルナ空間)での状況認識を支援し、月面の詳細な情報把握を可能にし、チタン鉄鉱(イルメナイト)の密集地を特定するように設計されている。これは、ヘリウム3の存在を示唆するものだ」とFireflyは述べている。
Oculaは、同社の着陸船Blue Ghostによる、2026年に予定されている月着陸ミッションの第2弾「Blue Ghost Mission 2」から始動し、Elytra Darkはトランスファービークル(輸送機)として活動する。
約2週間の月面ミッション中、同衛星は通信中継機として機能し、任務が終わったあとはOculaとして5年以上月面を撮影する。2028年に予定されている月着陸ミッションの第3弾「Blue Ghost Mission 3」でも別のElytra Darkが打ち上げられる。
Oculaのデータは、将来の無人ミッションや有人ミッションの着陸地点を選定するのにも役立つ可能性がある。Fireflyは、政府と民間企業の両方にデータをライセンス供与する予定だ。将来的には、火星周回軌道にOculaを展開する計画もある。

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Space.com