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ESA、重力波望遠鏡など3つの科学ミッションが中止の可能性–NASA予算削減が影響
2025.06.13 12:39
米Trump(トランプ)政権による米航空宇宙局(NASA)の2026会計年度予算案が承認された場合、欧州宇宙機関(ESA)の3つの科学ミッションが脅かされる可能性があるという。米メディアSpace.comが報じている。
NASAの2026会計年度予算案では、冥王星探査機「New Horizons」(ニューホライズンズ)、木星探査機「Juno」(ジュノー)、火星周回衛星「Mars Odyssey」(マーズ・オデッセイ)と「MAVEN」、欧州宇宙機関(ESA)と共同で実施予定の火星探査車「Rosalind Franklin」(ロザリンド・フランクリン、旧ExoMars)の中止が提案されている。
ESAが現地時間6月12日に開いた記者会見で科学局長のCarole Mundell(キャロル・マンデル)氏は、米政権によるNASA予算案が承認された場合、宇宙重力波望遠鏡「LISA」、金星探査機「EnVision」、そして史上最大のX線宇宙望遠鏡になる予定の「NewAthena」が脅かされる可能性があると述べた。
海面上昇を監視する「Sentinel-6B」衛星の年内の打ち上げは実施されるが、その姉妹ミッションである「Sentinel-CB」も、影響を受ける可能性がある。Rosalind Franklinに関しては、NASAから提供される予定だった打ち上げロケット、放射性同位体ヒーターユニット、大気ブレーキエンジンの技術をESAが独自に開発することも示唆されている。
ESA長官のJosef Aschbacher(ヨーゼフ・アッシュバッハー)氏は「我々は米国の決断を待つことのコストがどれくらいか、そしてどれくらい長く待てるのかを評価する必要がある」と述べている。

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