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中国の民間企業、観測衛星網構築で契約獲得–これまでは国有企業の役割
中国の民間衛星メーカー微納星空(Minospace、ミノスペース)が現地時間5月18日、同国西南部に位置する四川省向けにリモートセンシング衛星コンステレーションを構築する大規模な契約を獲得した。中国経済紙の経済観察報が伝えている。
北京を拠点とするMinospaceは、四川省が運営する公共資源取引プラットフォームで衛星コンステレーションの構築プログラムの入札を勝ち取った。四川省が計画の推移と資金を監視することを示唆していると米メディアSpaceNewsは分析している。契約額は約8億400万元(約160億円)とみられている。
SpaceNewsによると、今回のコンステレーションは、中国の経済政策の司令塔である国家発展改革委員会(NDRC)が承認しているという。これまでは、政府の研究機関である中国科学院(CAS)、国有企業である中国航天科技集団(CASC)と中国航天科工集団(CASIC)に限られていた役割を民間企業であるMinospaceが果たすのは注目される動きと解説している。
コンステレーションは、四川省の眉山地域を観測することを目的としている。合成開口レーダー(SAR)衛星が6機、光学衛星が4機の計10機を開発する予定。同社はこれらの衛星を打ち上げ、軌道上でのネットワーク構築と運用調整も担当する。
今回の契約直後の5月21日には、同社の衛星「泰景(Taijing)3号04」と「泰景4号02A」が固体燃料ロケット「力箭1号」(Kinetica-1、Lijian-1)で打ち上げられた。これらの衛星はそれぞれ、光学とSARのセンサーを搭載している。
Minospaceは2024年6月にシリーズCラウンドで10億元(約200億円)を調達した。