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米上院、アイザックマン氏のNASA長官承認に向けて6月上旬に投票実施

2025.05.26 17:11

塚本直樹田中好伸(編集部)

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 米連邦議会上院は米国時間5月22日、Jared Isaacman(ジャレッド・アイザックマン)氏の米航空宇宙局(NASA)長官承認を6月上旬に実施するための申し立てをおこなった。米メディアSpaceNewsが報じた

 Isaacman氏は決済処理を手掛けるShift4 Paymentsの創業者で、Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)の2回の宇宙飛行を率いた実績がある。2024年12月に次期長官に指名された

 米上院の商業委員会は19対9の票決で、Isaacman氏のNASA長官承認を上院本会議で決議すると4月末に決定した。同委員会の委員長であるTed Cruz(テッド・クルーズ)氏(共和党、ニューヨーク州選出)と筆頭理事のMaria Cantwell(マリア・キャントウェル)氏(民主党、ワシントン州)の支持を得たが、民主党議員のほとんどは指名に反対票を投じた。

 上院議員の間では、NASAの2026会計年度に向けた予算案が懸念されている。ホワイトハウスから示された予算案では、NASA全体の予算が約25%削減され、国際宇宙ステーション(ISS)の利用縮小、宇宙技術への資金投入の半減などが提案されている。Isaacman氏はこれらの予算案について議論に関わっておらず、政権の計画については詳しく知らないと述べている。

 Isaacman氏は上院の承認を必要とするNASAの4つのポストのうち、最初に承認されることになる。現政権は5月6日、NASA副長官に退役空軍大佐のMatthew Anderson(マシュー・アンダーソン)氏を指名。3月にはGreg Autry(グレッグ・オートリー)氏が最高財務責任者(CFO)として指名されている。2023年後半から空席となっている監察総監はまだ指名されていない。

 Isaacman氏をできるだけ早期にNASA長官に承認するようNASAの元宇宙飛行士28人が書簡に署名するなど、米宇宙業界では、同氏ならNASAのためにより効果的に主張し、現在直面している不確実性に対処できると考えているという。

米国時間4月9日に開かれた承認公聴会で上院議員からの質問に答えるIsaacman氏(出典:NASA / YouTube)
米国時間4月9日に開かれた承認公聴会で上院議員からの質問に答えるIsaacman氏(出典:NASA / YouTube)

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