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中国が「惑星探査ロードマップ」を発表–2038年に火星研究基地を設立
2025.03.28 17:44
中国国家航天局(CNSA)傘下の研究機関、深宇宙探査研究所(DSEL)は、居住可能性(ハビタビリティ)のある惑星と地球外生命の探査を中心にした長期的な深宇宙戦略を進めている。海外サイトのSpaceNewsが報じた。
公開されたスライドでは、天体生物学的な意義を持つ複数の探査ミッションが提示されている。
- 2028年頃:「天問3号」による火星サンプルリターン
- 2029年頃:「天問4号」による木星探査、最終的に衛星「カリスト」の周回軌道へ
- 2033年頃:金星の大気からの微粒子サンプルリターン
- 2038年頃:火星研究基地の設立
- 2039年頃:海王星探査
「2030年頃に惑星の居住可能環境の地上でシミュレーションする装置の構築」もロードマップに含まれている。DSELによれば、これらのミッションの一部はすでに承認されているが、技術的、経済的な課題も多い。
例えば海王星ミッションでは、深宇宙探査用の原子力技術を開発する必要がある。深宇宙探査での超長距離通信や他惑星の環境汚染を防ぐ惑星保護規定の遵守、長期間の宇宙ミッションに耐える探査機の開発なども課題だ。
このロードマップと並行して、中国は「Earth 2.0」と呼ばれる系外惑星観測衛星の開発を進めている。打ち上げは2028年を予定しており、「第2の地球」の発見を目指す。