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「宇宙戦略基金」第二期の24テーマが決定–3000億円を投資へ
2025.03.27 15:43
内閣府は「JAXA宇宙戦略基金」第二期の技術開発テーマを正式に決定し、その内容を発表した。総務省(予算450億円)から5テーマ、文部科学省(予算1550億円)から13テーマ、経済産業省(予算1000億円)から6テーマの、合計24テーマ約3000億円分の内容が発表された。今後はJAXAより順次公募が始まる予定。


総務省の5つの技術開発テーマは以下となる。
(1)衛星光通信を活⽤したデータ中継サービスの実現に向けた開発・実証(支援規模235億円)
(2)衛星光通信の導⼊・活⽤拡⼤に向けた端末間相互接続技術等の開発(支援規模30億円)
(3)衛星光通信の実装を⾒据えた衛星バス及び光通信端末の開発及び製造に関するフィージビリティスタディ(支援規模4億円)
(4)国際競争⼒ある通信ペイロードに関する技術の開発・実証(支援規模58億円)
(5)衛星通信と地上ネットワークの統合運⽤の実現に向けた周波数共⽤技術等の開発・実証(支援規模110億円)

文部科学省の13の技術開発テーマは以下となる。
(1)スマート射場の実現に向けた基盤システム技術(支援規模85億円)
(2)有⼈宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術(支援規模100億円)
(3)次世代地球観測衛星に向けた観測機能⾼度化技術(支援規模100億円)
(4)地球環境衛星データ利⽤の加速に向けた先端技術(支援規模40億円)
(5)空間⾃在移動の実現に向けた技術(支援規模300億円)
(6)空間⾃在利⽤の実現に向けた技術(支援規模165億円)
(7)軌道上データセンター構築技術(支援規模135億円)
(8)船外利⽤効率化技術(支援規模65億円)
(9)⾼頻度物資回収システム技術(支援規模25億円)
(10)⽉⾯インフラ構築に資する要素技術(支援規模80億円)
(11)⽉極域における⾼精度着陸技術(支援規模200億円)
(12)宇宙転⽤・新産業シーズ創出拠点(支援規模110億円)
(13)SX中核領域発展研究(支援規模100億円)

経済産業省の6つの技術開発テーマは以下となる。
(1)⾼頻度打上げに資するロケット部品・コンポーネント等の開発(支援規模195億円)
(2)⾼頻度打上げに資するロケット製造プロセスの刷新(支援規模245億円)
(3)射場における⾼頻度打上げに資する汎⽤設備のあり⽅についてのフィージビリティスタディ(支援規模5億円)
(4)衛星データ利⽤システム実装加速化(支援規模176億円)
(5)⾰新的衛星ミッション技術実証⽀援(支援規模120億円)
(6)宇宙機の環境試験の課題解決(支援規模230億円)

基本方針を改定
宇宙戦略基金の基本⽅針は、10年間の事業期間にわたる制度設計を定めたものだが、政策動向やJAXAの進捗報告なども踏まえて、以下などを改定した。
(1)国際市場獲得に向けた枠組み作り
(2)予算執⾏にあたってのJAXA内プロセスの明確化
(3)技術の継承および⼈材育成の推進
(4)技術流出対策の強化
(5)その他(利益相反ルールの明確化や時点更新など)

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