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中国、太陽探査を計画–極域の周回飛行で磁気などを調査、宇宙天気予報にも活用

2025.02.28 08:00

塚本直樹

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 中国は太陽の極域を研究するために、探査機を黄道面外に送り出す計画を進めている。海外メディアのSpaceNewsが報じている

 黄道面とは、地球が太陽の周りを公転する際の軌道が作る平面のことだ。太陽の極域を周回する軌道を飛行することで、太陽の磁気活動の周期や高速な太陽風に関する貴重なデータを得ることができる。これは、宇宙天気や技術インフラの理解において重要と考えられている。

 この探査計画は、中国の「国家宇宙科学中長期発展計画(2024〜2050)」の一環として進められている。探査機は太陽極域の正面画像を観測し、太陽の磁気活動周期の起源を解明すること、そして太陽―惑星間の「クラウドマップ」を作成する計画もある。

 2029年の打ち上げが考えられている探査機には、磁場・ヘリオ地震イメージャーや極端紫外線太陽望遠鏡、可視光/超広角コロナグラフ、低周波電波分光計、X線撮影望遠鏡などが搭載される予定だ。太陽風イオン分析装置や高エネルギーイオン分析装置、磁力計などで太陽風の特性や惑星間磁場を直越観測する予定だ。

太陽観測衛星「Solar Dynamics Observatory」が撮影した写真にX線宇宙望遠鏡「NuSTAR」が撮影した写真を重ねたもの。太陽からX線が流れていることが分かる。視野は太陽の西縁をカバーしている(出典:NASA / JPL-Caltech / GSFC)
太陽観測衛星「Solar Dynamics Observatory」が撮影した写真にX線宇宙望遠鏡「NuSTAR」が撮影した写真を重ねたもの。太陽からX線が流れていることが分かる。視野は太陽の西縁をカバーしている(出典:NASA / JPL-Caltech / GSFC)

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