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探査ロボ「SORA-Q」、日本オープンイノベーション大賞で内閣総理大臣賞を受賞
2025.02.06 15:45
小型月着陸実証機「SLIM」で月に降り立った「SORA-Q」が内閣府が主催する第7回日本オープンイノベーション大賞のうち最も優れたものとして表彰される内閣総理大臣賞を受賞した。2月5日に表彰式が開催された。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が2月6日に発表した。
変形型月面ロボット(Lunar Excursion Vehcle 2:LEV-2)であるSORA-Qは、JAXAとタカラトミー、ソニーグループ、同志社大学の4者が共同開発。タカラトミーの玩具技術、同志社大学の小型ロボット開発技術、ソニーのIoTデバイスやイメージセンサー、画像処理技術をJAXAの宇宙関連技術と融合させて開発した。

超小型で軽量にもかかわらず、月面を安定的に走行して自律制御で動作できるロボットとしてLEV-2を開発したことがオープンイノベーションによる成果として評価されたと説明している。
JAXAの宇宙探査イノベーションハブの枠組みを利用して産官学が連携した共同研究となり、将来の宇宙探査ミッションに貢献できる新しい技術を育てるとともに地上事業に展開することを目的に進められた。

直径約78mm、質量228gという世界最小、最軽量のLEV-2の開発に成功し、LEV-2は世界初の完全自律制御による月面探査を達成し、SLIMの着陸状態や周辺環境が分かる画像を撮影、送信したことで日本初の月面着陸ミッションに大きく貢献したと説明。今後の宇宙探査ミッションに必要不可欠な月面探査、複数ロボットでの同時月面探査などの技術実証にも成功したことになる。

LEV-2の取り組みは、4者にとって重要な成功事例であり、宇宙探査イノベーションハブの活動でも貴重な知見の獲得につながったと説明。変形型月面ロボットに続く、新しいイノベーションを目指して「宇宙探査」と「宇宙/地上でのビジネス・社会課題解決」の双方に有用(Dual Utilization)な技術や価値の創出、宇宙/地上での利用の拡大を進めていくとしている。

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JAXAプレスリリース