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中国、月探査で民間企業の参加を初承認–2028年の「嫦娥8号」にロボット搭載

2025.01.28 15:39

塚本直樹

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 中国の宇宙機関である中国国家航天局(CNSA)は、民間企業である地衛二空間技術(STAR.VISION Aerospace、浙江省広州市)の月探査ミッションへの参加を初めて承認した。

 地衛二空間技術は衛星設計やインテリジェント衛星プラットフォーム、AIデータ解析を手掛けている。同社の声明によれば、中国の浙江大学(Zhejiang University:ZJU)やトルコの中東工科大学(Middle East Technical University:METU)と協力し、5kgの月面マイクロ探査ロボットを開発する。

 3者による探査ロボットは、2028年に打ち上げ予定の月面探査ミッション「嫦娥8号」(Chang’E-8)に選定されており、「長征5号」ロケットでの打ち上げが計画されている。着陸船(ランダー)や探査車(ローバー)で構成されるとみられ、月サンプルの分析や実験、月環境で地球の陸上生態系のテストなどをおこない、相乗りミッション用の200kgのペイロード容量も用意される。

 海外メディアのSpaceNewsによれば、中国はここ数年、宇宙分野における商業活動や民間資本の参入範囲を徐々に拡大してきた。商業用の大型ロケットや巨大な衛星コンステレーション計画を推進し、2024年には商業宇宙分野を重要な優先事項とした。商業ロケットで打ち上げる、宇宙ステーションへの補給用宇宙船の開発を進める提案も選定している。

(出典:CNSA)
(出典:CNSA)

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地衛二空間技術発表
SpaceNews

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