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カナダのVolta、月での太陽光発電を計画–着陸船や探査車に電力を送信
2024.10.15 07:46
カナダを拠点とするVolta Space Technologies(Volta)は現地時間10月10日、月面に電力を供給するために、月の周回軌道に衛星コンステレーションを開発する計画を発表した。
Voltaが計画しているシステム「LightGrid」は、月周回軌道上の衛星が太陽光エネルギーを集め、それをレーザーで月面の着陸船や探査車に搭載された受信機に送るというものだ。これにより、太陽光が利用できない場所で宇宙機が稼働することが可能になる。
Voltaはレーザーで電力を伝送する技術を開発し、最大850mの距離でテストした。同社は2026年に、軌道上の衛星でこの技術をテストする準備を進めている。Voltaによれば、月の低軌道に小型衛星を3機設置すれば、フルサービスが提供できると述べた。
Voltaの共同創業者で最高経営責任者(CEO)であるJustin Zipkin氏は「我々の顧客は月の夜でも生き残れる能力、永久に影になる地域での運用能力、どこにいても需要に応じて電力を購入できる能力に、非常に興奮している」と海外メディアのSpaceNewsの取材で説明している。システムが展開できれば、潜在的顧客から2億5000万ドル(約370億円)以上の契約を受け取っていると示唆した。
同社にはコーポレートベンチャーキャピタルのMaC Venture CapitalとIndustrious Venturesが出資。米国の国防総省や航空宇宙局(NASA)、欧州宇宙機関(ESA)、カナダ宇宙庁から補助金なども得ている。