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宇宙のワクワクと癒しがここに–ハチャメチャ明るいPS5専用アクションゲーム「アストロボット」
2024.10.02 16:00
宇宙に関係するお仕事は「楽しそう」とか「夢がある」と思ったりしますが、宇宙そのもののイメージとしては、どちらかというと「神秘的」とか「怖い」みたいに、何か未知の物に対する恐れがあるように思います。
最近だとSpaceXが「ポラリスドーン」ミッションで民間人初の宇宙遊泳を達成し、そのライブ動画を見たときには「こんな映像がリアルタイムで見られるとは」と思いつつも、同時に背景に見える真っ暗な底知れぬ宇宙空間には怖さも感じました。
NASAの惑星探査機から送られてくる写真も、緑の多い地球とはかけ離れた荒涼とした風景ばかり。映画などのエンタメ作品で宇宙をテーマにしたものは、真空や無重力といった非日常要素が強調されることが多く、それが心に染みついているのもあるかもしれません。
でも、できることならもっと明るく、楽しく宇宙と触れ合いたい。もしかしたら地球よりもっと賑やかで極彩色な惑星も、この広い宇宙のどこかに存在していないとも限らないじゃないか。
そんな願いをかなえてくれそうなハチャメチャに面白いアクションゲームが、PlayStation 5用の「アストロボット」(通常版7980円)。開発元のソニー・インタラクティブエンタテインメントからPS5本体とともにお借りできたので、どんなゲームなのかざざっと紹介していきましょう。
フル3Dの色鮮やかなステージでアストロが大暴れ
本作は、宇宙服を着たアンドロイドのようなキャラクター「アストロ」が主人公のアクションゲームシリーズ最新作。シリーズ作品の1つである無料の「ASTRO’s PLAYROOM」がPS5に最初からインストールされているので、PS5のユーザーならこのキャラクターのことをご存じかと思います。
ASTRO’s PLAYROOMは、アストロの操作を通じてPS5のコントローラー「DualSenseワイヤレスコントローラー」の各種機能を順序よく学べるチュートリアル的な役割も果たしていました。最新作のアストロボットは、そこにストーリー性が加わり、大宇宙を舞台に冒険していく、という内容になっています。
ASTRO’s PLAYROOMを知らなくてももちろん楽しめるのですが、まだプレーしたことのない人は最初の5分だけでも遊んでおくといいかもしれません。アストロボットのオープニングでは、大勢のアストロたちが乗るPS5本体の形をした宇宙船から「何か」が奪われるのですが、それが「CPU」というPS5(アストロたち)にとって最も大事なものである、ということがちゃんと理解できるからです。
さて、改めてストーリーをおおざっぱに説明すると、宇宙船に乗るアストロたちが謎の巨大生命体に襲われ、重要なCPUが奪われてしまい制御できなくなったことで、宇宙船が壊れてどこかの惑星に不時着してしまう、というのが物語の始まり。その過程で船外に投げ出され遭難したたくさんの仲間を探し出し、レスキューすべく、1人のアストロを操って大宇宙を冒険することになります。
宇宙空間の移動に使うのは、DualSenseワイヤレスコントローラーの形をした小型宇宙艇「デュアルスピーダー」。これを操縦して探索したい銀河や惑星(ステージ)を選択し、探索先ではアストロが身1つで戦いに赴きます。
アストロ背後からの第三者視点で挑む各ステージは、もちろんフル3Dで表現されています。鮮やかな色合いの、起伏や仕掛けに富んだユニークなステージばかり。そこを走り回り、パンチ、ジャンプ、スラスターを使った2段ジャンプ(浮遊)などのアクションを駆使して、これまた原色感あふれる敵キャラを倒しながらゴールを目指します。
しかし、ただゴールを目指すだけではもちろんダメ。そもそもの目的は遭難した仲間をレスキューすることなので、なんとかして見つけ出さなければなりません。よくよく見ると仲間が助けを求めていたり、なぜか逃げ回ったり、敵対してきたり、明らかにエンジョイしていたりするので、「遭難したんちゃうんかい!」とツッコミを入れる要領でしばいてレスキューしていきましょう。
仲間をレスキューしてステージクリアし、宇宙船のある拠点に送り届ける、という流れを繰り返して、最終的に奪われたCPUを取り戻すことを目指します。仲間はどうやら何百人もいるので、長い長い旅路になりそうです。
キュートなキャラと、達成感のある絶妙のゲームバランス
これだけだと「ステージクリア型のシンプルなアクションゲームなのかな?」と思うかもしれません。でも実際はちょっと違います。まず最初に注目してしまうのが、アストロたちのキュートすぎる姿。コミカルなちょこまかとした動きは、思わず「かっ、カワイイ!」とつぶやいてしまうほど……。
操作しないで動かずにいると、どこかに隠れている仲間に呼びかけて聞き耳を立てるのですが、その様子はいろいろな角度から何度でも眺めたくなります。敵キャラへの攻撃時や仲間のレスキューはパンチ(またはキック)するわけですが、そのパンチもなで切りのような感じで、極彩色の風景とあいまって殺伐とした雰囲気はゼロ。敵キャラではない動物・魚・昆虫(型のロボット)なども暮らしていて、それらと戯れるのも癒やしになります。
一部、ボスクラスの敵との対決シーンを除けば、実は、基本的に一発ダメージを受けただけでやられてしまうなかなかにシビアなルールです。でも、ところどころにあるセーブポイントから即再開できますし、操作方法は一般的なアクションゲームと共通しているところが多く、繊細な操作が必要な場面は少ないので難易度は低めです。
ステージ内に隠れている仲間は何人もいますが、一度で全員は見つけられないかもしれません。その場合は繰り返し同じステージをチャレンジすることになるものの、2回目以降は隠れている場所に近づくと教えてくれる小鳥型のアストロが協力してくれるので、行き詰まることもありません。
あちこちにパズル的な要素が盛り込まれていたり、追加の装備を身にまとうことで特殊なアクションが可能になって、それを活用しながらクリアしていくところもあります。が、やる気を削ぐような意地悪なギミックはなく、難しく感じても何度かチャレンジすればクリアできる程度の絶妙なバランスです。
リズミカルなサウンドとともに、コントローラーのスピーカーから出る音や振動(ハプティクス)によってゲーム内のさまざまなアクションを体感できるようにもなっていて、できればヘッドフォンを付けずに遊びたいところ。プレー中はただただ爽快感と達成感ばかりが得られ、そこには宇宙の怖さなんか一切ありません。いつか夢見た自然と生命のあふれる異世界のような宇宙がそこに広がっているのです。
忙しい合間にちょっとずつ楽しめる癒しゲー
ところで、レスキューしたアストロたちが何をやっているかというと、宇宙船が不時着した拠点でリラックスしていたり、遊んでいたり、宇宙船を修復していたりします。
レスキューした人数が増えていけば拠点内での行動範囲やできることが広がり、宇宙船の修復も進めていけるので、とにかく1人でも多くレスキューすることが大事。各ステージで集めたコインでガチャをプレーすることで、拠点内に新たなオブジェを増やせる街づくり的な要素もあります。
レスキューする仲間は、PlayStationの過去のゲームに登場したキャラとして現れることもあって、古くからのプレステファンならニヤリとしてしまうところも。1ステージは長くてもせいぜい20~30分、短いステージだと数分でクリアできるので、忙しい人でも少しずつ進められます。
小難しい話も少なくない宇宙分野ですが、ちょっと疲れてしまった時や、大変だった1日の終わりには、キュートなアストロたちに癒されに行ってみてください。頭をすっきりリセットして、きっと新たな活力が湧いてきますよ。
【協力】ソニー・インタラクティブエンタテインメント