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中国の詳細不明な宇宙機、デルタ翼構造か–270日間飛行後、地球に帰還
2024.09.25 15:30
9月に地球に帰還した中国の詳細不明の宇宙機がデルタ翼のような構造を採用していると、アマチュア観測家のFelix Schöfbänker氏が報告している。デルタ翼は直角三角形に近い形の翼であり、「三角翼」とも呼ばれる。音速以上の速度でも安定していることから高速での飛行に適しているとされている。
再使用型の宇宙往還機(スペースプレーン)と考えられる、中国の宇宙機は2023年12月、中国の酒泉衛星発射センターから「長征2号F」ロケットで打ち上げられた。268日間飛行した後、2024年9月6日に地球に帰還。「宇宙の平和利用のための技術的支援を提供するため、再使用技術の検証と宇宙科学実験を実施した」と中国メディアのCGTNは報じている。
オーストリア在住のSchöfbänker氏の観測によれば、中国の宇宙機が2024年8月に方向を180度転換した際にデルタ翼設計を示す画像が撮影できたという。海外メディアのSpace.comによると「翼の間の暗い部分は貨物室である可能性がある」と同氏は説明する。
同様のスペースプレーン「X-37B」は米宇宙軍も運用しており、現在も地球を周回している。同機は2023年12月に打ち上げられ、267日間を宇宙で過ごしているが、そのミッションの詳細は明かされていない。