IDDK、全自動化したバイオ実験装置でクラファン開始--軌道上で実証

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IDDK、全自動化したバイオ実験装置でクラファン開始–軌道上で実証

2024.09.18 08:00

UchuBizスタッフ

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 光学技術と半導体技術を融合させて、従来の顕微鏡とは全く異なる原理の顕微観察技術(Micro Imaging Device:MID)を開発するIDDK(東京都江東区)は9月17日からクラウドファンディングを開始した。MIDを活用した自動バイオ実験装置「Micro Bio Space LAB」(MBS-LAB)の軌道上の実証実験を実施する。

 独ATMOS Space Cargoが開発する「Phoenix Return Capsule」にMBS-LABを搭載し、地上に帰還させる予定。

MBS-LAB概要(出典:IDDK)
MBS-LAB概要(出典:IDDK)

 地球を周回する軌道上での実験は、地上だけでは解決が難しい研究に成果を上げつつあり、社会課題に対するイノベーションを生み出す場として期待されている。軌道上での実験は国際宇宙ステーション(ISS)だけであり、そのISSも2030年末までに運用が終了することが決まっている。

 IDDKは日本独自の衛星を活用した宇宙バイオ実験のプラットフォームを構築して、宇宙ステーションに頼らない実験の場を提供することを目指している。現在、衛星でバイオ実験を進めて地上にサンプルを回収するシステムは世界中で開発が進んでいると説明。同社は、世界に先駆けて全自動で実験を進めるというMBS-LABで軌道上で実験装置を運用し、地上に装置ごと帰還する実証実験を目指している。

 今回のクラウドファンディングで得た資金は2024年度末の打ち上げを目指しているMBS-LABの機能実証とサンプル回収の実証実験に関連する費用として使用する。

 同社の代表取締役で最高経営責任者(CEO)の上野宗一郎氏は、同社の宇宙バイオ実験事業のミッションは「宇宙バイオ実験の民営化により、地上での研究だけでは解決できない人類課題に対してイノベーションを生みだす場を提供する」と説明している。

宇宙バイオ実験プラットフォーム概要(出典:IDDK)
宇宙バイオ実験プラットフォーム概要(出典:IDDK)

関連情報
IDDKプレスリリース(PR TIMES)

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