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スペースX、初の民間人宇宙遊泳に向けて打ち上げに成功–人類未到の高度1400kmを飛行
2024.09.11 17:00
米Space Exploration Technologies(SpaceX、スペースX)は米国時間9月10日、「Polaris Dawn」(ポラリスドーン)ミッションを打ち上げた。
Polaris Dawnは、決済サービスを提供する米Shift4 Paymentsで最高経営責任者(CEO)を務めるJared Isaacman氏が資金を提供するミッション「Polaris」計画の第1弾ミッションで、4人の民間人が参加する。国際宇宙ステーション(ISS)より高い高度を飛行し、初となる民間人による宇宙遊泳(ExtraVehicular Activity:EVA)も予定されている。
Polaris DawnはSpaceXの「Falcon 9」ロケットで米フロリダ州のケネディ宇宙センター(KSC)から打ち上げられた。Falcon 9のロケット第1段(ブースター)は、大西洋に停泊していた無人のドローン船に着陸。その後に「Crew Dragon」(クルードラゴン)宇宙船がロケット第2段から分離し、打ち上げは成功した。
Polaris DawnのCrew Dragonは最高高度1200kmの楕円軌道に投入されており、数回の周回後には遠地点(地球から最も遠いところ)を1400kmまで上昇させる。これは、1972年の「Apollo 17」以降、人類が飛行した中で最も高い高度となる。ミッションに参加した4人は今後5日間を宇宙で過ごし、さまざまな実験を行う予定だ。
EVAは高度を700kmまで下げた3日目に予定されている。SpaceXが開発した船外服をテストする。Crew Dragonにはエアロックがないため、EVAでは、Crew Dragonの内部全体が真空にさらされる。4人全員が船外服を着用するが、外部に出るのはミッションコマンダーであるIsaacman氏とミッションスペシャリストのSarah Gillis氏の2人。