ニュース

「IVS2024 LAUNCHPAD」で宇宙スタートアップが2位と5位にランクイン–衛星ビジネスに存在感

2024.07.08 10:44

藤井 涼(編集部)

facebook X(旧Twitter) line

 起業家や投資家、スタートアップなどに関わるすべての人々を対象にした大規模カンファレンス「IVS2024 KYOTO」が、7月4日〜6日の3日間にわたり京都で開催された。IVS運営によれば参加申込数は1万人を超え、200近いセッションに約600名のスピーカーが登壇したという。

 IVSの目玉コンテンツが、次世代の起業家の登竜門ともいわれるピッチイベント「LAUNCHPAD」だ。2024年は300社以上(海外比率20%)の応募があり、選ばれた15社の決勝進出者が、自社プロダクトや熱い思いを6分間のプレゼンテーションで披露した。その中から、大規模・超高密度な自動倉庫システム「RENATUS」を手がけるRENATUS ROBOTICSが審査員から高い評価を得て、優勝を果たした。

ピッチイベント「IVS2024 LAUNCHPAD KYOTO」

 今回のLAUNCHPADで印象的だったのが、15社のうち3社が宇宙スタートアップだったこと。衛星データ解析プラットフォーム「Solafune」を提供するSolafune、衛星データを活用して不動産取引を支援する「WHERE」を提供するPenetrator、衛星データによって近くの駐車場が見つかる「at PORT」などを展開するランディットだ。

 Solafuneでは、地球上で起こる様々な事象を解析することを目的に、衛星データ解析技術を提供。衛星データプラットフォーム「Solafune」は、すでに世界の約100カ国・地域で利用されているという。直近では、ザンビア共和国における地表面の資源ポテンシャルに関する情報取得を目的とした全土解析のために、Solafuneの衛星データ取得技術をエネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)に提供した。

 PenetratorのWHEREでは、衛星画像とAIによって、駐車場や畑など指定した不動産を自動的に識別し、所在地を割り出すことが可能。これにより、不動産所有者に直接アプローチできるとのこと。また、不動産取引の受託業務のオートメーション化を目指している。

 ランディットのat PORTは、衛星データとAI画像認識で集めた駐車場データから、現場に1番近い空いている駐車場を提案するサービス。これにより、建設現場や物流現場などで必要になる駐車場や事業用地の手配を、調査から支払いまでワンストップで代行してくれるという。

 LAUNCHPADでは最終的に、Solafuneが2位に、Penetratorが5位にランクイン。3社とも衛星データを活用したスタートアップで、すべての産業における宇宙ビジネスの関心や存在感が高まっていることを感じられる結果となった。

Solafuneが2位にランクイン
Penetratorも5位に入賞した

 なお、IVS2024では宇宙ビジネスに特化したセッションも設けられ、ステージには多くの来場者が詰めかけた。この模様も後日記事にてお届けする。

Related Articles