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約199日ぶりの地球では「重力」をどう感じる?–古川聡飛行士が帰還後初会見

2024.04.25 08:00

小口貴宏(編集部)

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 約199日間の国際宇宙ステーション(ISS)滞在を終えて3月12日に地球に帰還した古川聡宇宙飛行士は4月24日、帰還後初となる記者会見に臨んだ。古川氏は冒頭「宇宙は老化の加速モデルであると実感した」と述べたほか、地球で重力を実感したエピソードなども明かした。

JAXAの古川聡宇宙飛行士

 宇宙の微小重力環境に長期間滞在すると、筋肉減少や骨量減少など、老化に似た現象が加速して起こるとされている。古川氏は地球への帰還直後を振り返り「宇宙では良い運動機器を使っていたおかげで筋肉や骨量減少を最小限に抑えられていたが、もし自分が80歳になったら、こんなバランスや柔軟性になるだろうと想像するくらい、特に首や背骨、股関節の柔軟性が落ちていた」と明かした。一方で「しっかりリハビリをすれば飛行前の状態に戻るので、人間の適応性はすごい」とも付け加えた。

 また、古川氏は約13年ぶりのISS滞在となったが、前回と比べてリハビリのメニューにも変化があると明かした。13年前は米航空宇宙局(NASA)主体で実施していたが、今回はNASAの支援を受けつつ宇宙航空研究開発機構(JAXA)主体で実施し、JAXA独自のメニューも取り入れていたという。

重力を実感したエピソードは

 また、帰還直後に重力を感じたエピソードとして「足がむくんでじんじんしていた」と明かした。このほかにも「シャワーを浴びた際に水が下に落ちて湯船に溜まるのが新鮮だった。無重力では四方八方に飛び散ってしまう」と述べた。

 加えて「宇宙ではモノを仮置きするときに、そっと離すと机に置くのと同様にとどまるが、地上で同じことをすると落ちてしまう。大切なモノは『持ったね?持ったね?』と確認するようにしていたが、落としても大丈夫な紙などは帰還直後はよく落としてしまっていた」と明かした。

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