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米、ロシアの対衛星ミサイル実験を非難 「無謀で危険な行為」
2021.11.16 11:35
米国は15日、ロシアが実施した対衛星実験を「無謀で危険な行為」だとして強く非難するとともに、国際的な権益を危険にさらす行動は「許容しない」と表明した。ロシアの実験により、国際宇宙ステーション(ISS)の乗組員は宇宙船内への避難を強いられた。
米宇宙軍によると、ロシアは「直接上昇対衛星(DA―ASAT)ミサイル」の実験を実施した。ミサイルはロシアの衛星に着弾し、1500個以上の追跡可能な宇宙ごみが低軌道に散乱したほか、より小規模の宇宙ごみが数十万個発生する可能性も高いという。
プライス国務省報道官はロシアの実験について、「国際宇宙ステーション(ISS)の宇宙飛行士や他の有人宇宙飛行活動へのリスクを大幅に高める」と指摘。「ロシアの危険で無責任な行動は宇宙空間の長期的な持続性を脅かすものであり、こうした兵器や宇宙の兵器化に反対するロシアの主張が不誠実かつ偽善的であることを明白に示している」と述べた。
プライス氏によると、米国は同盟国やパートナー国と対応を協議する予定。
プライス氏は具体的にどのような対応を取るかについては言及を控えたものの、「この種の活動を許容しない」との立場を引き続き明確にしていく考えを示した。
また、米国はこうした実験の危険性についてロシア当局高官に複数回警告したとする一方、ロシア政府に対して外交上の正式な意思伝達を行ったかどうかは明かさなかった。
(この記事はCNN.co.jpからの転載です)