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衛星データサービス企画、三菱電機などが追加出資–三菱UFJ銀行も新たに出資
2024.02.22 07:00
衛星データサービス企画(SDS、東京都千代田区)は2月21日、三菱電機などから追加出資、三菱UFJ銀行から新規に出資を受けたと発表した。
同社は、三菱電機やパスコ、アジア航測、スカパーJSAT、日本工営、一般財団法人のリモート・センシング技術センターの6社が出資して、2021年6月に設立。日本工営の持ち株会社であるID&Eホールディングスも今回追加出資している。
SDSは、国土やインフラの管理業務などに活用できる衛星データ解析情報を広範囲、継続的に提供することで衛星データ活用市場の形成と拡大を目指している。
労働人口不足を乗り越えるための民間企業のデジタル化、災害発生時の企業の事業継続計画(BCP)支援など、民間企業からの視点でも衛星データが貢献できる可能性を追求している。
SDSは、平時向けの衛星データサービスとして、国土や社会インフラなどの地盤変化や構造物変化を定期的に観測する解析プロダクトを提供する。
甚大な自然災害発生時は、各種衛星に対して迅速な緊急観測オーダーをかけるスキームを構築しており、発災直後の迅速な情報提供、復旧と復興に向けた衛星データ活用で社会に根付く仕組み作りを推進していくとしている。
平時向けサービスとあわせて、防災サイクル全般での衛星データ活用を推進していることから、SDSは内閣府の公募実証事業に採択、内閣府の「BRiDGE」プログラム、国土交通省の「中小企業イノベーション創出推進事業」(SBIR)のフェーズ3基金事業などに参加して、システム構築や実証事業を進めている。SDSによると、これらの強力な推進と社会実装のために増資を決定したという。
今回追加出資した三菱電機とは、内閣府のBRiDGEプログラムのひとつである研究開発公募「日本版災害チャータの構築とその運用・実証・実用化に関わる研究開発」に応募し、採択されている。
BRiDGEに採択されたのは、衛星観測リソースを結集し、被災状況を広域に把握するための社会的な仕組みや体制を構築することが目的。衛星データを解析することで建物や廃棄物処理、農地、市街地などの変化情報を客観的、定量的に把握する。これらの情報を自治体や企業へ提供する。
ID&Eホールディングスは、グループ傘下の日本工営が広域監視を得意とする衛星を活用した豪雨被害実態把握技術の開発、インフラ監視による防災や減災に取り組んでいることから迅速な災害対応のための衛星データ利用を目的として2021年に出資。今回、取り組みを強化するため、追加出資を決定した。
新たに出資した三菱UFJ銀行とは、同行の全国各地の中小企業から大企業までのあらゆる業界の顧客とつながるネットワークを活用し、金融視点での衛星データ活用ビジネス市場の形成と拡大を目指すという。
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三菱電機プレスリリース