なるか民間企業初--「オデュッセウス」の月着陸をNASAがライブ配信

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なるか民間企業初–「オデュッセウス」の月着陸をNASAがライブ配信

2024.02.21 14:09

佐藤信彦

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 米航空宇宙局(NASA)は、米Intuitive Machinesの月着陸船「Odysseus」(Nova-C)が着陸する様子を、米東部標準時(EST)2月22日午後4時15分(日本時間2月23日午前6時15分)から「NASA+」や「NASA TV」、NASAのYouTubeチャンネルなどでライブ配信する。着陸が成功すれば、民間初の月着陸となる。

 Odysseus(オデュッセウス)は、Intuitive Machinesの月着陸ミッション「Intuitive Machines-1(IM-1)」で民間初の月着陸を目指している。Space Exploration Technologies(SpaceX)の「Falcon 9」ロケットで、2月15日午前1時5分に打ち上げられた。Falcon 9から切り離された後、月へ向かって順調に飛行を続けている(その1その2)。

SpaceXのFalcon 9で打ち上げ(出典:Intuitive Machines)
SpaceXのFalcon 9で打ち上げ(出典:Intuitive Machines)
月へ向かって順調に飛行中(出典:Intuitive Machines公式Xアカウント)
月へ向かって順調に飛行中(出典:Intuitive Machines公式Xアカウント)

 月着陸は2月22日午後5時49分(日本時間2月23日午前7時49分)以降の予定。月の南極から300km離れた小さなクレーター「Malapert A(マラパートA)」の底へ着陸を試みる。

 Odysseusは12個の貨物(ペイロード)を搭載搭載しており、そのうち6個がNASAの「商業月面輸送サービス(Commercial Lunar Payload Services:CLPS)」に関するもの。NASAの機器では、高度な新ナビゲーションシステムや精密着陸技術、Odysseusのエンジン噴出の月面に対する影響測定などがテストされる予定。NASAから委託されたペイロードは以下の通り。

  • 無線周波数質量ゲージ(Radio Frequency Mass Gauge statement:RFMG、グレン研究センター)
  • 月表面撮影用ステレオカメラ(Stereo Cameras for Lunar Plume-Surface Studies:SCALPSS、ラングレー研究センター)
  • 月表面光電子電波観測(Radio Observations of the Lunar Surface photoElectron sheath:ROLSES、ゴダード宇宙飛行センター)
  • ドップラーライダー(Navigation Doppler Lidar for precise velocity and range sensing:NDL、ラングレー研究センター)
  • レーザーリトロリフレクターアレイ(Laser Retro reflector Array:LRA、ゴダード宇宙飛行センター)
  • ルナーノード1測位実証機(Lunar Node 1 navigation demonstrator:LN-1、マーシャル宇宙飛行センター)

 民間企業による月着陸には日本のispace、米Astrobotic Technologyが挑戦しているが、いずれも成功していない。

IM-1のミッションマーク。ミッションモットー「ADTIGO PLANITIA LUNAE」(ラテン語)は「I will touch the plains of the Moon」で意味は「月の平原に触れる」(出典:Intuitive Machines)
IM-1のミッションマーク。ミッションモットー「ADTIGO PLANITIA LUNAE」(ラテン語)は「I will touch the plains of the Moon」。日本語にすると「月の平原に触れる」(出典:Intuitive Machines)

関連リンク
NASAプレスリリース
Intuitive Machinesプレスリリース

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