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DigitalBlast、第三者割当で4億円調達–重力発生などISS搭載装置の開発に活用

2022.07.13 07:30

飯塚直

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 DigitalBlast(東京都千代田区)は7月11日、日本郵政キャピタル(東京都千代田区)、DBJキャピタル(東京都千代田区)からの第三者割当増資で4億円を調達したと発表した。

 今回調達した資金は、2024年の国際宇宙ステーション(ISS)での実験開始を目指す重力発生装置「AMAZ(アマツ)」など、月面での生態循環維持システム構築に向けたプロジェクト「NOAH」の実験装置開発に活用(AMAZは日本神話の「天地開闢(かいびゃく)」を由来とし、月面での植物栽培の実現に向けた始まりを意味している)。また、データ流通プラットフォームの開発への投資やコンサルタントをはじめとしたさまざまな職種での採用強化、組織拡大に利用するという。

 重力発生装置のAMAZは、現在地上実験を進めており、2024年にISSでの設置と運用を目指している。同装置は、宇宙環境と月面重力における植物生理の研究を主目的とし、装置の一部を回転させることで生じる遠心力を用いて、月面と同じ地球の6分の1の重力を再現。多様な重力下での栽培を通して、植物の重力応答に関する基礎データの取得が可能だという。

AMAZ(出典:DigitalBlast)
AMAZ(出典:DigitalBlast)

 NOAHでは、段階的に生態循環維持システムの構築に必要な研究開発を進め、人類が月や火星をはじめとした宇宙に居住できる未来を目指している。

 DigitalBlastは、宇宙産業への参画や拡大に必要な事業戦略、データ、マーケティングにかかるプラットフォームを提供する企業。2018年12月の設立以降、日本の宇宙産業の裾野を広げるため、宇宙産業全体と他産業とのつながりを支援していると説明。宇宙領域に関わるエコシステムを開発し、民間宇宙ビジネス市場の拡大にも貢献しているという。

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