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アポロ以来の月着陸目指した「ペレグリン」失敗、大気圏に落下
2024.01.22 11:52
今月8日に打ち上げられ、推進システムの問題に見舞われて計画の断念を強いられた米国の月着陸機「ペレグリン」は、米国時間の18日、大気圏に突入して燃え尽きた様子だ。
ペレグリンは米東部標準時の18日午後4時ごろ、南太平洋の上空で大気圏に突入する予定だった。
米航空宇宙局(NASA)と契約してペレグリンを開発した米アストロボティック・テクノロジーは、予定していた大気圏突入時間より前にペレグリンとの連絡が途絶えたと述べ、これは「同機が南太平洋の公海上空で制御された大気圏突入を完了したことを示す」とした。
その上で、「政府機関による独立した検証を待っている」とSNSに書き込んだ。
月面で無人ミッションを遂行できる比較的安価な月着陸機の開発を目指していたアストロボティックとNASAにとって、今回の失敗は大きな痛手となる。
ペレグリンは今月8日、ロッキード・マーティンとボーイングの合同ベンチャーが開発した新型ロケット「バルカン・ケンタウロス」に搭載して打ち上げられた。
打ち上げは順調で、ペレグリンを月へ向かう地球の軌道に乗せることに成功した。もしも月面に着陸できていれば、米国にとっては1972年のアポロ17号以来、初めての快挙になるはずだった。
しかし単独飛行を始めて数時間後、アストロボティックは、ペレグリンの推進システムが重大な問題に見舞われ、燃料漏れが起きていることを確認した。これが原因で月面に着陸するための燃料が足りなくなった。
アストロボティックはコースを切り替え、人工衛星のような状態でペレグリンを飛行させながら搭載の科学機器などのシステムをテストしていたが、最終的に、同機を高速で大気圏に突入させて破棄することを決めた。
(この記事はCNN.co.jpからの転載です)