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宇宙ジャーナリストの小学生たちが「宇宙の仕事」を取材–「HELLO SPCACE WORK!プレスセンター」密着レポート
2023.12.31 09:00
こども・アニメ専門チャンネル「キッズステーション」が運営する、小学生向けの宇宙メディア教育プロジェクト「スペースキッズステーション(SKS)」は、2023年12月2〜3日に開催された子ども向け宇宙イベント「HELLO SPCACE WORK!」において、宇宙ジャーナリストになって宇宙の仕事を取材する「こども宇宙プレスセンター」ワークショップを実施した。
「あつまれキッズ!宇宙の仕事ワークショップ ~宇宙に挑む面白さをリアルに体感~」と題した本イベントには、土日の2日間で合計27名が参加。初日となる12月2日は取材映像を制作、2日目の12月3日は編集記事を制作した。UchuBizもパートナーメディアとして協力しており、本稿では初日の様子を中心に密着レポートする。
宇宙ジャーナリストになって、宇宙での仕事を取材しよう
X-NIHONBASHI TOWERはイベント当日、子どもたちだけが参加できる「宇宙プレスセンター」に大変身。子どもたちはここを拠点に、「宇宙ジャーナリスト」として宇宙や地球の未来について取材に出かけた。
プレスセンターへのチェックインでは、「PRESS」腕章などのグッズを受け取って、「ウラヌス」「プルート」などの惑星の名前がついたグループに分かれて着席。そして、まずはブルースーツにお着替えだ。
イベントは定刻通りに始まったが、最初は緊張した面持ちの子どもたち…。各テーブルにはテーブルファシリテーターらが子どもたちに寄り添い、サポートする姿もあった。
進行は、SKSのプロナビゲーターである片山俊大氏(一般社団法人スペースポートジャパン共同創業者&理事)と、フリーアナウンサーの田中めぐみ氏がつとめた。
「山崎直子さんという宇宙飛行士さん、知っている人いる? (子どもたちの反応をみて)みんな知っていますね。山崎直子さんたちと一緒に、スペースポートジャパンを立ち上げました。空港の宇宙バージョンみたいな宇宙港、つまり宇宙に行く拠点を日本に作ろうとしています」(片山氏)
「宇宙ジャーナリスト」の心得も説明した。「記者は出来事を正確に伝えていくけれど、ジャーナリストは誰に話を聞くか、何を聞くか、何を撮影するか、どうまとめるかを、全部自分で考えながらやっていくお仕事だよ」という解説に、子どもたちは真剣に聞き入っていた。
いまは、スマホ1つで世界中に発信できる時代。だからこそ、「宇宙ジャーナリスト」は事実をしっかり調べ、読み手や書き手のことを考えながら発信することが大切だという。
それを踏まえて、「宇宙ジャーナリストとして取材をして、自分で文章を作って、カメラの前で話す」という当日のミッションが伝えられ、続いて自己紹介タイムに突入した。この段階ではまだ、人前で話すことを恥ずかしがる子もいたが、全員が頑張ってやり切った。
動画取材のポイントは「ワクワクすること」
当日の取材活動はこうだ。各グループごとに2カ所へ取材に出かける。子どもたちは取材活動と並行して、スマホを使って動画も撮影する。なんと取材には、プロのカメラマンがグループに1人張り付きで同行して、「宇宙ジャーナリスト」の活動を撮影した。
取材後は、子どもたちが「宇宙ジャーナリスト」としてコメントを考えて、カメラの前で発表する。解散後、プロのカメラマンが、自分と子どもたちの撮影データを編集して、60秒の動画を制作するという豪華プログラムだ。
つまり子どもたちには、「宇宙ジャーナリスト」として、2つの大きな仕事が任された。1つは、取材中の動画撮影。もう1つは、取材後のコメント発表だ。ということで、いざ取材に出かける前に、動画撮影や取材時のポイントを学んだ。講師は、バスキュールでクリエイティブディレクターを務める馬場鑑平氏だ。
馬場氏は「僕は『KIBO 宇宙放送局』という番組を作るというお仕事をしています」と自己紹介し、「宇宙に行ったことあるのは、まだ世界に600人くらい」など、最新情報も織り交ぜながら、動画を使って番組の内容も説明した。
ちなみに、2023年末も「宇宙から年越しLIVE配信」が予定されているという。“宇宙の日の出”が到来する、奇跡の瞬間を国際宇宙ステーションから生中継するという話も、子どもたちは静かに聞き入っていた(12月31日23時30分に配信スタート)
「これ面白いじゃんと思いながら撮るのもいいけれど、あとで他の人が見たときに、伝えたかったことがちゃんと伝わるように撮らなければいけないです。そして、一番大事なのは、自分が何にワクワクしたかということを、ちゃんと自分自身に問いかけながら、ワークショップを巡ってみることなんじゃないかなと思います」(馬場氏)