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三菱総研、New Space Intelligenceに出資–衛星データ処理自動化でサービス開発
2023.12.25 08:00
三菱総合研究所(MRI)は12月25日、衛星データで高精度に地表を観測するサービスを提供するというNew Space Intelligence(NSI、山口県宇部市)との事業連携に着手、NSIに出資したことを発表した。NSIが開発した「衛星データパイプライン」を活用したサービスの開発や提供を共同で進めていく。
地球低軌道を周回する衛星の数が急速に増加し、観測衛星が取得した画像の利用が注目されるようになっている。観測衛星が撮影する広域で定期的な画像はさまざまな用途で活用できる。例えば、災害の予兆把握や早期把握での利用は安全で回復力のある社会の構築に貢献できるとMRIは解説する。
一方で衛星データの入手はコストがかかり、解析するのに専門的な知見と時間がかかることが課題視されている。今後衛星データが増加していくと、利用者が見たい情報を的確に選んで提供することも求められるようになるとMRIは説明する。
NSIは、複数の衛星データを対象に、画像の選択、統合、解析、提供といった一連のプロセスを“パイプライン”として自動化する技術を抱えており、こうした課題に対応できるという。これまで衛星データ利用の社会実装に向けた調査検討や実証に取り組んできたMRIは、NSIの技術に着目し、事業連携に着手し、NSIに出資した。
総合シンクタンクであるMRIの知見と、NSIが保有する衛星データパイプラインを活用し、国内外のインフラ監視サービス、衛星データと他の空間情報、統計データを組み合わせた海外情勢の分析などのサービスの開発や提供に協力して取り組んでいく。
不確実性や不透明性の高いとされる社会では、客観的な意思決定、エビデンスに基づいた意思決定に貢献できる情報(インテリジェンス)が不可欠になっていくとMRIはみている。衛星などの空間情報に基づくインテリジェンスへのニーズは拡大傾向にあり、全世界で10兆円規模の市場になるとみられている。
MRIとNSIは国内外で事業を進める企業に対して、衛星データなどを活用したインテリジェンスを提供するために事業開発を進めるとともに、パートナーとの事業連携も積極的に進めていくとしている。
関連リンク
MRIプレスリリース
NSIプレスリリース