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スマホ並のロボット群でエウロパやエンケラドスの海を探査するアイデアを検討
2022.07.04 14:46
米航空宇宙局(NASA)は、太陽系内の衛星で生命の存在などを調べる手段として、衛星の海に潜った携帯電話サイズの小型ロボットが集団で探査する技術コンセプト「Sensing With Independent Micro-Swimmers (SWIM)」を発表した。
木星の衛星「エウロパ」や土星の衛星「エンケラドス」は、表面が分厚い氷で覆われている。この氷は、地球でいうところの地殻に相当する。そして、その下には液体の水で満たされた海のようなものがあり、生命が存在するかもしれない。
SWIMの各ロボットは、「Probe」と呼ばれる細長い装置に格納されて運ばれる。Probeは、氷の層を溶かして海まで到達すると、ロボットを調査のために放出する。
このコンセプトは、NASAジェット推進研究所(JPL)のEthan Schaler氏が考案したもの。小さな多数のロボットで調査を多く実行できる点が評価され、「NASA Innovative Advanced Concepts(NIAC)」を通じて60万ドル(約8100万円)の予算が割り当てられた。Schaler氏の研究チームは、今後2年間かけ、3Dプリンターで作ったプロトタイプを試験する計画。
なお、NASAは2024年にエウロパ探査機「Europa Clipper(エウロパ・クリッパー)」を打ち上げる予定だが、現時点でSWIMとは無関係。