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小惑星「リュウグウ」サンプルの複製を展示–小惑星探査機「はやぶさ2」が採取

2022.06.09 14:08

飯塚直

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 相模原市は6月8日、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰った試料(サンプル)のレプリカを全国約200の協力施設で6月12日から一斉展示すると発表した。

 展示するのは、サンプルのレプリカ2種(約1cmの実物大と10倍サイズ)。採取された中で3番目に大きい約1cmのサンプルを用いてレプリカを制作した。

サンプルが入ったカプセル開封後の画像(出典:JAXA)
サンプルが入ったカプセル開封後の画像(出典:JAXA)

 事前募集で応募のあった47都道府県の博物館など約200施設で展示される。一部施設では、6月11日から展示を開始。終了日については、各施設で異なる。

 また、JAXA相模原キャンパス(神奈川県相模原市)内にある見学施設「宇宙科学探査交流棟」では、サンプルの実物とともに「はやぶさ2」の実物大模型なども見ることができる。

回収用ヘリコプターから撮影したカプセル(出典:JAXA)
回収用ヘリコプターから撮影したカプセル(出典:JAXA)

 主催者は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙科学研究所 はやぶさ2プロジェクトのほか、「宇宙科学研究所と夢を創る会」(民間団体)と「銀河連邦サガミハラ共和国」(相模原市)の計3者。

 はやぶさ2プロジェクトの「この価値の高い小惑星リュウグウのサンプルを多くの方々にご覧いただく機会を設け、宇宙の謎を探究すること及び科学や技術を追求することの楽しみを実感していただきたい」との意向を受け、3者連携事業として企画したという。

距離約20kmから撮影されたリュウグウ。 2018年6月30日撮影。JAXA、東京大、高知大、立教大、名古屋大、千葉工大、明治大、会津大、産総研(出典:JAXA)
距離約20kmから撮影されたリュウグウ。 2018年6月30日撮影(出典:JAXA)

 「宇宙科学研究所と夢を創る会」は、宇宙科学研究所と行政や地域住民が続けてきた交流を深め、地域資産として相模原市はもちろん、全国の子どもから大人までが一緒に見ることができる夢をつくり、宇宙科学研究所と地域の発展に寄与することを目的に組織された会という。

 「銀河連邦サガミハラ共和国」は、JAXAの研究施設が縁となって交流する5市2町(北海道大樹町、秋田県能代市、岩手県大船渡市、宮城県角田市、長野県佐久市、鹿児島県肝付町、神奈川県相模原市)で構成される、ユーモアとパロディの精神で組織されたという「銀河連邦」のうちの一つ。「銀河連邦」は、子どもたちの留学交流事業をはじめ、スポーツ交流や経済交流、銀河連邦フォーラムの開催などを通じて友好を深め、相互の発展と宇宙への夢とロマンを育むことを目的と解説している。

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