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英Astroscale、OneWebなどから1480万ユーロ調達–複数の衛星を除去する衛星で

2022.05.30 14:32

飯塚直

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 宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去を含む軌道上サービスに取り組むアストロスケールホールディングス(東京都墨田区)は5月30日、100%英国子会社であるAstroscaleはグローバルに衛星通信サービスを提供する英OneWeb(ロンドン)をパートナーに、軌道上ミッションで役目を終えた複数の人工衛星を除去する衛星「End-of-Life Services by Astroscale – Multi client(ELSA-M)」の技術革新に向けた1480万ユーロの資金調達を実施したと発表した。

 ELSA-Mの軌道上実証は、2024年末に計画しており、衛星運用者に向けたデブリ除去サービスの提供を開始する予定だという。

 今回の取り組みは、欧州宇宙機関(ESA)とOneWebが提携した通信システム先端研究「Sunrise(サンライズ)」プログラムを通じて、付与するものとなる。

 Sunriseは、衛星航行のための人工知能(AI)、新たなペイロード、デブリ除去研究など、次世代技術の前進を支援することが目的。今回の資金調達は、ELSA-Mの設計を完了させ、組み立て前まで製造を進めることを目指したAstroscaleと英国国内パートナーへの拠出となっている。

ELSA-Mの工程イメージ(出典:アストロスケールホールディングス)
ELSA-Mの工程イメージ(出典:アストロスケールホールディングス)

 衛星は天気予報、災害監視、GPS、銀行システム、ブロードバンドなどの重要なサービスを可能にする存在だが、衛星が稼働する宇宙の軌道環境が混雑すると、職場や家庭での円滑な生活が失われるリスクもあるという。

 軌道上に存在する物体の大多数を占めるのはデブリであることから、そのデブリを管理するためのソリューションを開発していくとしている。

ELSA-Mのイメージ(出典:アストロスケールホールディングス)
ELSA-Mのイメージ(出典:アストロスケールホールディングス)

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