国立天文台、岩手・水沢VLBI観測所を夏休み特別公開--「宇宙と生命」で講演も

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国立天文台、岩手・水沢VLBI観測所を夏休み特別公開–「宇宙と生命」で講演も

2023.08.07 16:29

佐藤信彦

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 国立天文台(NAOJ)は、夏休み向けの企画として、水沢VLBI観測所(岩手県奥州市)を8月26日に特別公開する。

 水沢VLBI観測所は、10mと20mの電波望遠鏡を運用している施設。遠く離れた場所にある複数の電波望遠鏡を組み合わせて観測する「超長基線電波干渉法(Very Long Baseline Interferometry:VLBI)」という技術を用い、国際協力プロジェクトである「Event Horizon Telescope」(EHT)に参加しており、ブラックホールの影を人類史上初めて撮影する、といった成果を挙げている。

水沢VLBI観測所の電波望遠鏡(出典:国立天文台)
水沢VLBI観測所の電波望遠鏡(出典:国立天文台)

 公開日時は、8月26日午前10時から午後8時30分まで。スーパーコンピューター「アテルイII」見学やアンテナ観測といったイベントが用意され、さまざまな研究やシミュレーション天文学の成果、「火星衛星探査計画(Martian Moons eXploration:MMX)」「木星氷衛星探査計画(JUpiter ICy moons Explorer:JUICE)」「はやぶさ2」に関するポスター展示が行われる。

 「宇宙と生命―もう一つの地球を探せ―」というテーマに沿った講演「火星生命の探査」 「電波望遠鏡による地球外知的生命の探査」が開催され、さまざまな実験・体験コーナー、星空観察会なども予定されている。

 「いわて銀河フェスタ2023」の一環として催され、参加料は無料。約100台限定で臨時駐車場が設けられる。

いわて銀河フェスタ2023として開催(出典:国立天文台)
いわて銀河フェスタ2023として開催(出典:国立天文台)

 国立天文台は、野辺山宇宙電波観測所(長野県南牧村)とVERA石垣島観測局や石垣島天文台(沖縄県石垣市)の特別公開も実施する。

 特にVERA石垣島観測局は、VERA水沢観測局、VERA入来観測局、VERA小笠原観測局と組み合わせて、直径2300kmの望遠鏡と同じ性能を発揮するための施設。「VLBI Exploration of Radio Astrometry(VERA)」という、銀河系の3D地図を作成する国立天文台のプロジェクトに活用されている。そこでの経験や知見が、EHTに一役買ったとされている。

関連リンク
国立天文台プレスリリース
いわて銀河フェスタ2023
国立天文台水沢キャンパス

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