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富士山8合目を「Starlink」でライブ配信–登山道の状況や天候を伝達

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　KDDIは7月12日、富士山の8合目に「富士登山道ライブカメラ」を設置し、撮影した映像を衛星ブロードバンド「Starlink」を活用したライブ配信を開始した。期間は8月31日まで。

　8合目付近の山小屋にネットワークカメラとStarlinkの通信アンテナ、気象センサーを設置。登山道の状況などを撮影し、8合目付近の気温や風速とあわせて、「Mt.FUJI TRAIL STATION」でライブ配信する。

　Starlinkを活用することで、安定した高速通信環境の確保が難しかった山岳部からでも、ライブ映像を伝送できるという。

　映像はオンラインのほか、御殿場口新5合目に設置したモニターにも5G通信で配信。登山客に8合目での登山道のリアルな状況や天候を伝達することで、8合目の天候などを事前に把握してもらい、登山に不慣れな人が軽装で富士登山に臨むことを防ぎ、救助要請の増加防止を目指す。

　8月19日には、東京から御殿場市へ向かうバスツアーで御殿場市内観光で「VR体験御殿場ツアー」の実証実験を実施する。参加者は、移動中のバス内でスマートグラスを装着し、観光地の仮想現実（VR）映像や現地スタッフと双方向のコミュニケーションを通じて、観光地の特徴やポイントなどを知ることができる。

　スマートグラスを利用した体験後に、あらかじめ設定されたコースの中から、現地でどの観光地を訪れるかを選択可能。疑似観光体験と到着後のリアルな観光体験を組み合わせることで御殿場市内観光の新たな魅力発見につながるかを検証するという。

　登山道ライブカメラとVR体験御殿場ツアーは、KDDIと静岡県御殿場市が地域活性化を目的とした両者の包括連携協定に基づいた取り組みの一環。

　各地の観光客数は、コロナ禍以前と同等レベルまで回復が見込まれており、富士山の登山客数も増加が予想されているという。

　御殿場市では、登山に不慣れな人が軽装で富士登山に臨んでしまうことによる救助要請増加への対策が課題となっている。登山客が周辺観光地を訪れる際、アウトレットモールなど特定の観光地に集中する傾向もあるという。

　そこで、富士山の安心で快適な登山や観光をサポートする環境を整備するとともに、富士山周辺の観光地の魅力発信について、今回の取り組みを開始することになった。