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SpaceXの「Starlink」衛星、磁気嵐で運用開始前に大気圏再突入–最大40基

2022.02.10 14:47

佐藤信彦

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 SpaceXは、先日打ち上げた「Starlink」衛星49基の一部が磁気嵐の影響で軌道を維持できなくなり、最大40基が大気圏に再突入して失われると発表した。

 49基のStarlink衛星は、米東部標準時(EST)2月3日13時13分に打ち上げられた。そして、予定どおり近地点が約210kmの地球低軌道(LEO)に投入され、運用開始に向けた準備を進めていた。

 ところが、2月4日に発生した磁気嵐の影響で、これら衛星の軌道で大気抵抗が増してしまったそうだ。具体的には、抵抗がこれまでのデータに比べ50%高くなった。

 この状態だと衛星の高度を維持できないため、SpaceXは抵抗を減らす「セーフモード」に切り替えて回復を試みた。しかし、抵抗は減らず、セーフモードを終了させられなくなり、運用軌道まで高度を上げる操作を始められなかった。

 SpaceXは、発表時点で最大40基の衛星がこれから大気圏へ再突入するか、すでに突入したとみている。

 なお、SpaceXがStarlink衛星をまずLEOへ投入した後に運用軌道へ移すのは、最初のシステム動作確認で不合格となった衛星を速やかに再突入させて処分するため。このような手順を踏むことで、宇宙ゴミ(スペースデブリ)の発生を抑えられるという。

 SpaceXは、これら衛星がほかの衛星と衝突するおそれはないとした。さらに、再突入で完全に焼失するので、デブリは発生せず、地表に部品などが落下することもないとしている。

衛星を打ち上げた「Falcon 9」(出典:SpaceX/YouTube)

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