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JAXA、宇宙での課題を解決する生活用品アイデアを選定–ISS搭載目指す
2022.02.10 08:00
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の新事業促進部は2月9日、「第2回宇宙生活/地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデア募集」のアイデアを選定したことを発表した。選定された企業は、2023年以降に国際宇宙ステーション(ISS)への搭載を目指して、アイデアの製品化、宇宙仕様への改変などに着手していく。
2021年8~9月に宇宙生活と地上生活に共通する課題を解決する生活用品アイデアの第2回募集を行った。65件のアイデアが応募された。選定されたのは以下のアイデア。
アイデア名 | 会社名(順不同) |
---|---|
運動時の不快な汗を吸い上げるマルチウェア | 健繊(東京都新宿区) |
歯石を予防する、飲める成分の⼝腔ケア製品 | トライフ(横浜市中区)オーラルピースプロジェクト |
臭いとりパッチ | 久光製薬 |
薄膜形成型高機能保湿剤ÅP.P.クリーム(宇宙生活向け) | Caetus Technology(東京都千代田区) |
CosmoSkin | ポーラ・オルビスホールディングス、ANAホールディングス |
自在にカスタマイズできるうえに持ち歩くことまでできる壁面収納 | パル(大阪市中央区) |
ジョイントMIRROR | Space Cosmetology(東京都中央区) |
宇宙生活での課題や困りごとをまとめた「Space Life Story Book」(PDF)を参考に、企業が所有している技術やノウハウを活用して宇宙と地上に共通する生活課題の解決や生活の質(QOL)向上を目指すアイデアを募集した。JAXAが(1)宇宙滞在中の生活の利便性向上、(2)地上課題の解決・社会的インパクト、(3)開発の実現性、(4)ISSへの搭載可能性――の観点で総合的に評価したという。
JAXAは今後、アイデアの製品化、宇宙仕様への改変などの着手後、宇宙飛行士と選定企業で開発の方向性やプロトタイプなどを確認、開発完了後に安全性や搭載性などの観点から総合的に評価し、ISSへの搭載の可否を判断する。
JAXAの新事業促進部などが中心となって進めている新事業創出プログラム「JAXA宇宙イノベーションパートナーシップ(JAXA Space Innovation through PARtnership and Co-creation:J-SPARC)」の一環である「THINK SPACE LIFEプラットフォーム」は今後、事業創出を促進するためのインキュベーションやコミュニティー活動を通し、応募企業を後押ししていくと説明している。